コラム：白鳥幼稚園のケヤキの樹齢

“欅（けやき）”ってどんな木？

　アイドルグループの『欅坂46』としても知られている“けやき”という木ですが、名前の由来をご存じでしょうか？

　所説あるものの、木目が他の木より美しく“異なって”いることから「（けやけき）異木」（＝きわだった木）と言う意味で名づけられた、という説が一般的です。

　植物学的分類では、『被子植物門（モクレン門）双子葉植物網（モクレン網）イラクサ目ニレ科ケヤキ属の落葉高木』となります。東アジアの一部と日本に分布し、暖地では丘陵部～山地、寒冷地では平地まで自生しています。長い年月を経て大木となり、国や地方自治体の天然記念物となっていることも多く、欅をシンボルとして指定している都道府県は宮城県、福島県、埼玉県があり、その他全国の４７市区町村においても、欅がシンボルとして指定されています。有名なけやきとして東根（山形県東根市）の大けやきがあり、樹齢1500年、国指定特別天然記念物になっています。

白鳥幼稚園のけやき

　では、白鳥幼稚園のけやきの木はどうでしょうか。残念ながら、いつ誰が植えたのか、今では誰も知る人がいません。ですが木の下にある石碑を調べてみると、『明治４０年建立』（２００６年現在では９９年前）とあります。根部分が石碑とほぼ近接しているところをみると、この石碑が建てられた当時にはなかったか、あるいはまだ幼木だったと思われます。

▲春の欅

▲夏の欅

▲秋の欅

▲冬の欅

けやきの樹齢測定！

　今となっては正確な樹齢はわかりませんが、今回はすでに測定済みの木の樹齢を参考にして、樹高・幹周りと樹齢の関係を調べることで測定してみることにします。ただ樹木の成長は一様のものではないことを考慮し、いくつかの値の平均を出してみたいと思います。樹齢の測定方法にはいろいろとあるのですが、正確な樹齢を測定しようとすると木を痛めたり大掛かりになってしまうため、今回は以下のようなやり方で測定することとします。

　まずは全国各地にある有名なけやきのデータをご覧ください。

　さて、それでは樹齢の推定に行きたいと思います。

　ややこしいですが、樹高（A）×根回り（B)で算出された値（C）でそれぞれの木の推定樹齢（D)を割り、それにより得られる指数（E）の平均値を白鳥幼稚園のけやきから算出した任意の数値（［幼稚園のけやきの樹高］×［幹周り]）にかけてみたいと思います（詳しくは下表を参照してみてください）。

白鳥幼稚園のけやきの推定樹齢

　さて、結果はどうでしょう？

１３９．０５９年となりました！

　つまりこの測定法では、白鳥幼稚園のけやきは樹齢およそ１４０年となります。仮にこれより低いとしても、白鳥幼稚園のケヤキは樹齢１００年以上ということが言えるのではないでしょうか！

　ということは･･･白鳥幼稚園では、子どもたちはおじいちゃん、おばあちゃんよりも長く生きているけやきの下で元気良く遊んでいる、ということになります。普段見慣れている光景も、けやきの樹齢を知るとなんとも感慨深くなりますね。

　けやきの木は、四季ごとに見せてくれる姿の変化が実に美しく、見る者を感動させます。白鳥幼稚園のけやきの木は、その美しい姿で１世紀以上にわたって子どもたちを見守ってきたのです。白鳥幼稚園のけやきがこれからもずっと、私たちを感動させ、子どもたちを見守ってくれるよう願いたいものですね。